政府が求める英語力に到達、中3と高3で初の50%…都道府県別で最大58ポイント差

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 文部科学省は9日、全国の公立中学校と高校などを対象にした2023年度の英語教育実施状況調査の結果を公表した。政府が目標とする水準の英語力を持つ生徒は、中学高校とも初めて5割に達した。政府は27年度までに「6割以上」を目指している。

文部科学省
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 調査は昨年12月に実施。政府が求める英語力は、中3が「英検3級(中学卒業レベル)相当以上」、高3は「準2級(高校中級レベル)相当以上」。この水準に達した中学3年は50・0%で前年度より0・8ポイント増え、高校3年は50・6%で1・9ポイント増となった。

 英検3級は「身近な英語を理解し、使用できる」、準2級は「日常生活に必要な英語を理解し、使用できる」レベルとされる。英語力を持つ生徒には、英検などの資格取得者や教員が同程度の英語力があると判断したケースも含まれる。

 中3の状況を都道府県・政令市別に見ると、さいたま市の88・4%が最も高く、福井県83・8%、横浜市67・2%と続いた。さいたま市は独自に英語の授業を小1から始め、全小中学校にALT(外国語指導助手)を配置するなど英語力向上に取り組む。

 最も低かったのは佐賀県(30・1%)で、同県を含め7自治体が30%台だった。佐賀県教育委員会の担当者は「教員が生徒に英検3級レベルの力を身につけさせなければならないという認識が不十分だった」とする。

 高3では、富山県の61・4%が一番高く、福井県61・1%、石川県59・0%の順だった。最低は宮城県(39・6%)で唯一4割を切った。

 英語力の地域差について、文科省の担当者は「望ましくない」とし、「英語力の向上には、生徒が英語で考えを伝え合う活動を行っているかや、教員が授業で英語を使用しているかなどが影響している」と分析する。

 政府の第3期教育振興基本計画では、22年度中に50%以上とする目標を掲げていた。昨年6月に閣議決定された第4期教育振興基本計画では、27年度までの目標が「60%以上」に引き上げられた。

 一方、調査では準1級相当以上の英語力がある英語担当教員の割合についても調べており、中学校は44・8%(前年度比3・2ポイント増)、高校は80・7%(同8・4ポイント増)だった。

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