LRTの停留所名になった「飛山城跡」、最寄りでも「徒歩20分で大変」…宇都宮市がGWに無料タクシー

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 宇都宮市はゴールデンウィーク期間中の2~6日、LRT(次世代型路面電車)「ライトライン」の「飛山城跡停留場」から飛山城史跡公園(同市竹下町)の間をタクシーで無料送迎する実証実験を行う。LRT開業後に来訪者が増えた同公園のアクセス向上を図り、さらなる利用増加を目指す。(奥山大輝)

 同公園は、国指定史跡の飛山城跡に整備され、約14ヘクタールの広大な敷地に、戦国時代の掘立柱建物や竪穴建物などが復元されている。史跡からの出土品や、中世の歴史を解説するパネルなどを展示している「とびやま歴史体験館」も併設し、親子連れや歴史ファンが足を運んでいる。

 市文化都市推進課によると、同公園の昨年9月から今年3月末までの来訪者数は2万4856人で、前年同期の1万5006人から約6割増加した。佐藤栄一市長も「LRTの開通によって存在が大きく前面に出されるようになった」と手応えを口にする。

飛山城史跡公園(2015年8月22日、読売ヘリから撮影)
飛山城史跡公園(2015年8月22日、読売ヘリから撮影)

 一方で、JR宇都宮駅周辺の市街地からは車で約20分と遠く、最寄りの「飛山城跡停留場」も名前こそ「飛山城跡」を冠してはいるものの、実際には片道1・4キロ、徒歩で約20分の距離がある。来訪希望者からは「行くのが大変」「距離がありすぎる」との声もあり、交通利便性の向上が課題になっていた。

 期間中は、午前10時半から午後3時半まで、4人乗りタクシー2台が交互に運行する。乗車時間は約4分。10分間隔での運行を基本とし、午後0時台と同3時台のみ20分間隔とする。

 市は今回のデータをもとに送迎の需要や適切な運行間隔などを分析した上で、今後も来訪者が多くなる時期を見計らって実施する考えだ。

 佐藤市長は「実証実験が成功すれば、(無料送迎を)継続することも検討したい」と話している。

 LRTは生活の足としての側面以外に、市中心部と観光スポットを結ぶ役割も期待されている。さらに宇都宮市ではバス路線を停留場と接続するよう再編したり、芳賀町では主要停留場の近くにシェアサイクルを導入したりと、交通結節点としての機能を充実させる動きも盛んになっている。

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