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A級順位戦7回戦、▲斎藤慎太郎八段―△中村太地八段は、対局時ともに2勝4敗で降級がチラつく者同士の対局。双方指し手が難しいまま終盤戦に突入し、斎藤八段の打った角を空振りにさせた中村八段が決勝点を挙げ、決着を付けた。双方1分将棋の大熱戦を加藤まどかさんの観戦記で振り返る。
第1譜(1―10)
▲2六歩 △8四歩 ▲2五歩 △8五歩
▲7六歩1 △3二金 ▲7七角 △3四歩
▲8八銀 △5四歩1(第1図)
(持ち時間各6時間 消費▲1分△1分)
5年ぶりの顔合わせ
トヨタ自動車の職員に囲まれたエレベーター。誰かが手にしたコーヒーの香りが漂う。最後にエスカレーターを上がると、遠くの山々のふもとに霧が掛かり、水墨画のような名古屋の街並みが広がった。素晴らしい景色を背に両者向かい合ったが、中村太地八段は駒箱を開けない。中継記者が来るのを待っているようだ。役者がそろい、駒を並べ始める。長身の2人が盤を挟む姿は、ファッション雑誌の撮影現場のようだ。と、盤外ではのんきなことを考えていたが、対局者の状況は深刻だ。両者2勝4敗で、負けた方は降級圏内に深く沈む。
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