トランプ再選を招いても…斎藤幸平さんが見た米若者のバイデン不信

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コロンビア大学で学生らとシュプレヒコールを上げる筆者(左)=筆者提供
コロンビア大学で学生らとシュプレヒコールを上げる筆者(左)=筆者提供

斎藤幸平・東京大准教授

 4月下旬、米ワシントンDCのジョージタウン大学で1週間の「グローバル・ダイアログ」というイベントにフェローとして参加した。コロナ禍もあり、アメリカはかなり久しぶりだが、正直今回は気が重かった。

 連載中のコラム 斎藤幸平の分岐点、その先へ
 過去の連載記事 斎藤幸平の分岐点ニッポン

 報道を見ていると、アメリカではパレスチナで起きていることを「ジェノサイド(集団虐殺)」と呼べず、イスラエルを批判できないように見える。昨年10月7日のイスラム組織ハマスの行為を「わくわくする」と形容したホバート・アンド・ウィリアム・スミス・カレッジのジョディ・ディーン教授は授業を持つことを禁じられた。学問の自由とはなにか。そんななかで自分はどのような発言をすべきなのか。少し迷いながら、アメリカにやってきたのだった。

 するとニューヨークに到着した日に、コロンビア大学でガザ攻撃への抗議活動をしていた学生たちが逮捕されたというニュースが入ってきた。大学に警察をいれるなんて論外だ。ベトナム戦争のときのようなことが起きている。もう学問の自由はないのか。DCで、「この件については触れないでください」と言われたら、抗議して、ボイコットすべきか? まずは何が起きているのかを少しで…

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