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新型コロナウイルス禍で苦しんだ百貨店業界が活況にわいている。インバウンド(訪日外国人)の回復や、歴史的な円安などを追い風に高額商品の売り上げが増加。店舗によってはコロナ禍前を上回り過去最高の売り上げをたたき出した。ただ、ある経営トップに「ある種の暴風では」と言わしめたその風は局地的だ。
「どぎまぎする」ほど好業績
4月下旬の週末、JR博多駅(福岡市博多区)に直結する駅ビルで営業する百貨店「博多阪急」。店内はハイブランドのショップ袋などを手にした海外からの買い物客でにぎわい、中3階の免税カウンターに長い列ができていた。
韓国から来たイ・スンミンさん(40)は「香水などを買いました。円安で安くていいですね」、愛媛県今治市特産の「今治タオル」を買ったというオーストラリア人男性(44)は「オーストラリアで買ったら倍はするかも」とほほえんだ。
博多阪急によると、店内の2023年度の免税件数はコロナ禍前(18年度)と比較して3割増えた。24年3月に限れば、18年3月の約2倍になったという。駅ビルを運営する「JR博多シティ」のまとめでは、23年度の博多阪急の売り上げは623億円。ビルの全商業施設の合計売上高1345億円とともに過去最高を達成した。
「九州の玄関口」と呼ばれる博多駅。各種催事で九州一円の集客が回復した他、インバウンドを含めた富裕層の需要も取り込めているという。ただ年間売上高を最大600億円程度と見込んでいた百貨店側も、ここまでの好調は予想外だった。今後の売上高の見通しについて亀井潤一店長は…
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