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パレスチナ自治区ガザ地区のイスラム組織ハマスとイスラエルの休戦に向けた交渉を巡り、米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は3日、1週間以内に合意できなければイスラエルがガザ地区最南部ラファに侵攻する方針だと報じた。エジプト当局者が同日、明らかにしたという。イスラエル側が提示した休戦案の検討を続けるハマスに対し「最後通告」を突きつけた形で、交渉は重要局面を迎えつつある。
ハマス政治部門の指導者ハニヤ氏は休戦案について「前向きに検討している」としており、代表団は4日、仲介国エジプトの首都カイロに到着した。ロイター通信によると、米中央情報局(CIA)のバーンズ長官も3日、カイロに到着しており、今後、詰めの協議が行われる見通しだ。
交渉中の休戦案は、休戦中にハマスの人質解放を進めながら、恒久的な停戦に向けた協議も開始する内容。WSJによると、ハマスは休戦案の文言があいまいだと指摘し、解釈次第ではイスラエルが再び戦闘を始める余地があると懸念。米国に対してイスラエルが戦闘を再開しないよう保証することを求めている。また、最終決定に影響力を持つハマスのガザ地区トップ、シンワル氏からの回答もまだ届いておらず、交渉の行方を不透明なものにしているという。
イスラエルメディアによると、ネタニヤフ政権内ではハマスが休戦案を拒否するとの見方が強まっている。2日夜には戦時内閣で、ラファ侵攻計画について協議した。
だが、ラファは人口の約7割にあたる約150万人の避難民が暮らしており、侵攻すれば人道危機の拡大は確実だ。ロイター通信などによると、国連人道問題調整事務所(OCHA)の報道担当者は3日、侵攻は「市民の虐殺につながりかねず、ガザ地区全体の人道支援にとてつもない打撃になる」と警告。イスラエルメディアの世論調査でも、54%がラファ侵攻よりも休戦合意による人質解放の方が重要だと回答しており、国内外で休戦への圧力が高まっている。
ガザ地区では3日も戦闘が続いた。中東の衛星テレビ「アルジャジーラ」によると、ラファでは住宅が空爆され、子供4人を含む7人が死亡。南部ハンユニスでは市庁舎が空爆で全壊した。ガザの保健当局は4日、これまでの戦闘による死者は3万4654人になったと発表した。【カイロ金子淳】
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