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2023年度に医療機関の休廃業・解散が前年度比37・1%増の709件に上り、過去最多となったとの調査結果を帝国データバンクがまとめた。開業医の高齢化が背景にあり、診療所が8割を占める。電子カルテなど医療DX(デジタルトランスフォーメーション)の普及に対応できないケースもあるとみられる。
23年度の休廃業・解散件数は19年度(561件)を上回り、最多を更新した。内訳は、診療所が580件(81・8%)、歯科医院110件(15・5%)、病院が19件(2・7%)。診療所は10年前と比べ2・4倍、歯科医院は2・8倍に急増する一方、病院はほぼ横ばいとなっている。
同社によると、診療所は「65~77歳ぐらいの開業医が多く、高齢化が顕著」という。新型コロナウイルス対策として、政府が実施した実質無利子・無担保の「ゼロゼロ融資」の返済が23年度以降、本格化していることも影響している。電子カルテやオンライン診療など、医療DXへの対応が重荷となるケースもある。
同社の担当者は「デジタル化などについていけず、診療を続けるべきか迷う人も多い。診療所の休廃業は今後も増える可能性が高い」と指摘している。