郵政民営化法、自民議連「今国会で改正やりたい」 社内には慎重論も

藤田知也
[PR]

 日本郵政グループが民営化する道筋を定めた郵政民営化法について、自民党の議員連盟「郵便局の新たな利活用を推進する議員連盟」が25日に都内で総会を開き、今国会での改正をめざす方向を確認した。全国郵便局長会の要望などを受け、郵便局網の維持コストを捻出する狙いだが、日本郵政グループ側には慎重論もある。国会が自民党の裏金問題で揺れるなか、調整は難航しそうだ。

 議連の山口俊一会長は総会の冒頭、「(郵政事業は)このままでは数年でやっていけなくなるのではないか。この改正が急がれる」と訴えた。総会後、山口氏は報道陣に「(改正案の骨子に)了承いただいた。今国会でやりたい」と述べた。

 法改正案の骨子では、日本郵政と日本郵便を合併させ、ゆうちょ銀行とかんぽ生命保険の金融2社は一定の株式を日本郵政が持ち続ける案などが示された。郵便局網維持のために金融2社株の売却益を積み立てる基金をつくり、財政支援措置の規定も盛り込む。日本郵政への外資規制も検討している。

 ただ、骨子に対しては、金融2社の完全民営化が撤回されることで、将来の経営の自由度が狭まりかねないなどの慎重論が日本郵政社内では根強い。25日の総会でも一部の項目に反対意見が出たといい、法改正案の具体化は今後、与党内などでの調整が続く。(藤田知也)

有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。

【締め切り迫る】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら