ファッションの多様化、サステイナビリティー意識の高まりなどを背景に、服の流行がめまぐるしく変化する時代は終わり、移り変わりがゆるやかになっている。2~3月に開かれた2024年秋冬のパリ・ファッションウィーク(パリ・コレクション)では、数年前から流行が続く透ける素材の多用、定番の服をひとひねりした日常着の提案が目立った。

 シンプルなシャツや丸首のセーター、トレンチコートといった普遍的な服をベースに、バランスを変えたり、小物を足したりして新鮮さを加えるスタイルが目についた。

 ミュウミュウが発表したコレクションにもそうした傾向がみられた。このブランドは近年、極端に丈の短い上着やマイクロミニ丈のスカート、冬場にはく薄いストッキングなどを提案し、大きなトレンドが生まれにくい状況のなかで流行の発信源になっている。ショー会場の外には、来場者が着ている最先端の装いを写真に収めようと、ストリートスナップを撮影する写真家が集結した。

 シンプルなひざ丈のコートに白…

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