軟骨伝導ってどんなもの? 奈良医科大が開発、中高生が体験

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体育館に輪になって寝そべり、小さな振動装置(輪の中央)から床を通じて伝わる音に耳を澄ます生徒や教員ら=奈良市三松4の育英西中・高校で2024年4月20日午前10時57分、稲生陽撮影 拡大
体育館に輪になって寝そべり、小さな振動装置(輪の中央)から床を通じて伝わる音に耳を澄ます生徒や教員ら=奈良市三松4の育英西中・高校で2024年4月20日午前10時57分、稲生陽撮影

 中高一貫では奈良県内唯一の女子校の育英西中・高校(奈良市三松4)で20日、奈良医科大で開発された「軟骨伝導」の仕組みを使った体験授業があった。理工系女性の育成プログラムの一環で、高校1年生33人と教員らが体育館の床板を通して音楽を聴く実験を体験した。

 軟骨伝導は通常の空気の振動でなく、軟骨に直接振動を伝えることで鼓膜を揺らして音を伝える仕組み。2004年に医大の細井裕司理事長が発見し、各種の音楽技術賞も受賞している。高齢者など聴覚の弱い人にも聞こえやすいため、集音器と合わせた専用機器を窓口に設置する自治体や企業も多い。

 今回のプログラムは、奈良女子大の犬伏雅士特任教授(理科教育)の協力で実現。自身が開発した窓ガラスや床を経由して軟骨伝導で音を伝える振動装置を使い、床に耳をつけて多人数が同時に音を聴く実験を行った。犬伏特任教授は狙いについて「音が聞こえる仕組みにも生物学や工学の要素が詰まっている。各分野を横断して学んでほしい」と話した。

 実験に参加した岡西咲さん(15)は「耳を塞いだり、遠くに離れたりしても音が聞こえて、音が振動で伝わっていると実感した。理科が身近なものに感じた」と話していた。【稲生陽】

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