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仙台藩士の燃料木材運んだ「木流堀」の歴史学ぼう 5月10、24日に仙台で講座

 江戸時代に造られ、仙台市太白区を流れる水路「木流堀(きながしぼり)」について学ぶ講座が5月10日と24日、市西多賀市民センターや現地で開かれる。かつては仙台藩の武士が使う燃料用の木材を運び、今も一部の田畑を潤す。治水対策で藩制時代とは流れが変わった場所もあり、地域の歴史に理解を深める機会となりそうだ。

 講師を務めるのは元仙台市史調査分析委員の松浦順一さん(78)=太白区=。初回の10日は講話で、名取川の取水口から広瀬川の排出口までの流路や役割を地図を基に確認し、現在の姿についても紹介する。

 24日は水路沿いを探索する。センターを出発して国道286号付近や西多賀小脇などを通り、木流堀の中間地点から名取川方面にさかのぼる形で歩く。地点ごとに松浦さんが解説を加える予定だ。

 

流れ変えて今も田畑潤す

田園地帯を流れる木流堀。農業用水(右)とその他の用途の流れに分かれている=仙台市太白区富田

 松浦さんによると、木流堀は明治時代に入ると木材運搬という当初の役割がなくなった。農業用水として利用され続けたが、大雨や台風時に越水が起きて周辺住民を困らせたという。戦後に改修を望む声が上がり、途中の笊(ざる)川との合流点が付け替えられるなどした。

 沢が流れ込む西多賀1丁目付近では、改修によって、水流が江戸時代と同じ広瀬川方面と逆向きの笊川方面とに分かれた。広瀬川方面への水量を減らすための工夫という。

 松浦さんは「武士が生きた時代と用途も流れも変わったが、100万都市になった今も堀が残っているのが面白い」と語り、講座への参加を呼びかける。

 5月10日は午前10~11時半、24日は午前9~11時半(雨天時は31日)。参加無料。定員15人で応募多数の場合は抽選。参加希望者は往復はがきに住所、氏名、電話番号、年齢を記入し申し込む。宛先は〒982―0034太白区西多賀3の6の8西多賀市民センター。4月23日必着。連絡先はセンター022(244)6721。

木流堀 仙台市太白区山田付近の名取川から水を引き入れ、太白区根岸町付近で広瀬川に注ぎ込む。全長約6キロ、深さ1メートル前後。仙台藩が1600年代、家臣に支給する燃料用木材を名取川上流の森林で伐採し、運搬する目的で開削したという

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