39年務めたスーパー「アークス」横山社長が会長に 後任は猫宮氏

佐藤亜季
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 食品スーパー北海道内大手アークス札幌市)の横山清社長(88)が代表権のある会長に就任する。後任には、子会社の食品スーパー、ラルズ(同)の猫宮一久社長(63)が就く。新設するグループCEO(最高経営責任者)に横山氏が、COO(最高執行責任者)に猫宮氏が就く。また、副会長となる古川公一・現アークス副社長(67)が、CFO(最高財務責任者)となる。5月28日付。

 総合スーパーのイトーヨーカドーが道内から撤退し、イオン北海道が道内の西友店舗を買収するなど、事業環境が様変わりしつつある。経営体制を刷新し、業界再編に備える。横山氏は社長交代の記者会見で「(経営環境が激変しているなかで)事業を継続して足らざるものを補っていくには、経営のスピードアップができる(CEOなどの)3C体制が最善だと考えた」と話した。首都圏を中心に比較的低価格のスーパー「ロピア」などを運営するOICグループがイトーヨーカドーの一部店舗を承継し、道内に進出することについて、アークスも交渉をしていたことを明らかにしたうえで、「コストを考えて手を引いた物件。まずはお手並み拝見したい」とした。

 横山氏は1985年にアークス社長に就任し、39年間、社長を務めた。その間、積極的にM&A(企業合併・買収)を進めてきた。現在、道内や東北、北関東でスーパーなど11社を傘下に持つ。スーパーの店舗数は今年2月末時点で374店舗。傘下の企業は横に連なって対等な立場で連携する「八ケ岳連峰経営」を信条とし、店名を変えないなど相手先の独自色を尊重しながら、規模を拡大してきた。横山氏は「スーパー業態は生活の実態を肌で感じられる。生きていく限りかかわりたい」と話した。(佐藤亜季)

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