大阪桐蔭元主将、トレードで動き出した野球人生 母校の「応援」も糧

北海道日本ハムファイターズ

笠井正基
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(27日、プロ野球 北海道日本ハムファイターズ3―1東北楽天ゴールデンイーグルス)

 開幕前のトレードをきっかけに、その野球人生は確かに動き出している。

 福田光輝は3月、千葉ロッテマリーンズから日本ハムに移籍した。

 この日は9番二塁手で4試合ぶりに先発出場し、第1打席は二回2死二、三塁の先制機で回ってきた。

 「チャンスだったので初球から思い切っていこうと思った」

 言葉通り、初球からバットを振っていく。ファウルになったものの、カウント1―1から、楽天・松井友飛(ともたか)の変化球をしぶとく中前に運び、2点適時打とした。

 大阪桐蔭高の2年生だった2014年の夏、遊撃手として第96回全国選手権の優勝を経験した。新チームでは主将に就き、翌春の選抜大会では4強入りに貢献した。

 法大を経て19年秋のドラフト5位でロッテに入団したものの、期待に見合うような成績は残せなかった。

 プロ4年目の春にトレードされ、自らに言い聞かせてきた。「自分にとっては絶対プラスになることだと思っていたので、あとは結果をしっかり出すだけ」と。

 日本ハムはトレードを活発にしかけ、埋もれつつある才能にチャンスを与えてきた球団だ。内野のユーティリティープレーヤーである福田光も、代走や代打の役割から、徐々に先発出場の機会を増やしていった。

 21日には地元・京セラドーム大阪であったオリックス・バファローズ戦で待望のプロ初本塁打を放った。

 この試合は大阪桐蔭高の吹奏楽部がスタンドで演奏を披露した。むろんオリックス側の応援なのだが、かつて慣れ親しんだ母校の力強い演奏は気持ちを奮い立たせてくれた。

 「まだ使ってもらっている立場ですし、何打席も、もらえる立場ではない。一打席、一打席は、チャンスとか、チャンスじゃないとかにかかわらず、自分のスイングをしていきたいと思います」

 殊勲の一打を放ったこの日、帰りのバスに乗り込む前、25歳は生き残りへの覚悟を語った。(笠井正基)

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