上方漫才大賞にプラス・マイナス 「賞レースでは無冠でも希望が」

照井琢見
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 第58回上方漫才大賞(ラジオ大阪、関西テレビ主催)の発表会が5月27日、大阪市内であり、プラス・マイナス(吉本興業所属)が大賞を受賞した。奨励賞は吉田たち(同)、新人賞はカベポスター(同)に決まった。

 プラス・マイナスは、ともに大阪出身の兼光タカシさん(44)と岩橋良昌さん(44)が、2003年に結成。ものまねが得意な兼光さんと、豊富なギャグを持つ岩橋さんとが繰り出す、勢いのある漫才が持ち味。昨年は年間665ステージと、精力的に劇場出演を重ねたことが評価された。

 上方漫才大賞は、1966年から続く老舗の漫才賞。過去の受賞者には、夢路いとし喜味こいし横山やすし西川きよしダウンタウンら実力者が並び、特に関西の漫才師にとっては思い入れの強い賞だ。

 12年に新人賞、21年に奨励賞を受けたものの、賞レースの結果には恵まれない時期が続いた。「全国放送の賞で決勝に進んだことがなくて、ずっと劣等感がありました」と岩橋さんは明かす。代わりに集中したのが、「目の前のお客さんを笑かすこと」だったそう。

 ネタが終われば、袖に入ってすぐ、兼光さんへのダメ出しを重ねた。「時には『プラス・マイナスです』のイントネーションまで口を出しました。それは僕がおかしかったと思いますけど」

 限界までネタを磨き上げ、結成20年の節目での大賞。兼光さんは「ネタに修正に修正を重ねて、いまは一番ウケているという自負があります。日々の舞台を評価されての大賞は、芸人として一番格好いいと思う」。岩橋さんも「劇場こそ全てと思って続けてきた。無冠でもこんな希望を頂ける。すごくうれしく思っています」と喜びをかみしめていた。(照井琢見)

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