マスク緩和で「メイク熱」が再燃 トレンドより「自分らしさ」に注目

江戸川夏樹
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 マスクを外す機会が増えて、「メイク熱」が再燃している。注目されているのは、「自分らしさ」だ。

 3月半ばに開かれた東京コレクション(楽天ファッションウィーク東京)の会場を訪れたデザイナーの女性(44)は、マスクの着用が緩和され、チークを新調したという。華やかなリップに合うように、コーラルにゴールドが入った明るめのチーク。「コロナ下では在宅勤務で自分の顔を見ることが多かったので、スキンケアをがんばってきました」

「マスク生活で化粧に変化」が9割以上

 花王ビューティリサーチ&クリエーションセンター(BRCC)が2022年4月、18~59歳の女性650人に聞いた調査によると、マスク生活で9割以上が化粧に変化があったと答えた。

 「目元を濃くした」が37・5%で最多。「チークを使わなくなった」「ファンデーションが薄くなった」「口元メイクをしなくなった」と続く。

 メイクの目的にも変化があった。「おしゃれを楽しむ」という人の割合は21年の67・4%から74・9%に、「楽しい気分になる」は47・2%から56・2%に上がった。

 BRCCの平尾清香さんは、「自分らしさへの目覚めが見て取れる」と分析する。これまで日本人の化粧は「他人を意識したもの」が主流で、流行にも大きく左右されてきた。

 だが、コロナ下で化粧の機会は減り、メイクをしても、親しい人にだけ見せるものに。「多様性を大事にしようという社会の流れもあり、『自分らしく』という傾向がより強まった」と平尾さんはみる。

「自分のアピールポイントを押さえて」

 マスクを外した後の「自分らしいメイク」とは、どのようなものになるのか。

 BRCCの原島麻由美さんは、「マスクをしている生活の中で、特に注目された目元が引き続き中心になる」と予想する。ただ、コロナ下で生まれた傾向は変わらず、「誰もがトレンドを追うことにはならず、自分のアピールポイントを押さえたメイクをする時代になると思います」。(江戸川夏樹)

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