一瞬で過ぎ去ったチャンス…ランキング戦1組 広瀬章人八段×都成竜馬七段

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第1譜

ランキング戦1組1回戦
(先)八段 広瀬章人×七段 都成竜馬
▲2六歩 … △3四歩 …
▲7六歩 … △9四歩 1
▲9六歩 1 △4四歩 3
▲4八銀 … △3二銀 2
▲6八玉 1 △4三銀 1
▲5八金右3 △3三角 1
▲2五歩 6 △2二飛 1
▲7八玉 … △7二銀 3
▲5六歩 3 △6二玉 …
▲5七銀 … △5二金左1
▲7七角 1 △6四歩 3
▲3六歩 3 △7一玉 2
▲8八玉 10 △7四歩 3
▲7八金 2 △7三桂 5
▲6六歩 … △5四銀 16
▲6七金右5 △4五歩 1
持ち時間各5時間
△0時間51分 ▲0時間43分 32手

「桂損」上等、腕に覚えあり!…ランキング戦1組2回戦 広瀬章人九段×佐藤康光九段

再スタート

 先の竜王戦七番勝負で藤井聡太竜王と激闘を繰り広げた広瀬が再スタートを切る。2勝4敗で終わったあのシリーズを振り返って、広瀬は語る。

 「自分の力は出し切ったが、だからこそ、相手の強さも実感した。戦った感触は羽生さん(善治九段)とも渡辺さん(明名人)とも違う。作戦を練ってぶつからないと勝負にならない。終盤力が飛び抜けている」

 もともと広瀬は若いころから終盤力を売りにしてきた棋士だが、その広瀬から見ても藤井竜王の終盤は別物らしい。藤井竜王の出現によって、プロの将棋は新しいフェーズに入ったのかもしれない。誰もが、以前より序盤研究に力を入れるようになっている。

 都成は関西の成長株。対局は2月10日、東京の将棋会館で行われた。開始前、都成が広瀬に向かって小さく頭を下げた。当初、本局は1月6日に行われる予定だったが、都成が新型コロナに感染して延期された経緯がある。広瀬も和やかに応じて対局は始まった。作戦家の都成は向かい飛車から藤井システム風の駒組みを進める。(鈴木宏彦)

対局開始前、コートを脱ぐ広瀬八段=若杉和希撮影
対局開始前、コートを脱ぐ広瀬八段=若杉和希撮影

第2譜

ランキング戦1組1回戦
(先)八段 広瀬章人×七段 都成竜馬
▲8六歩 6 △8四歩 6
▲9八香 1 △1四歩 10
▲9九玉 3 △2四歩 7
▲3五歩 57 △2五歩 12
▲3四歩 … △4四角 …
▲7五歩 1 △6三金 25
▲7四歩 17 △同 金 2
▲7五歩 … △同 金 1
▲7六歩 … △7四金 2
▲6五歩 … △7七角成15
▲同 桂 … △6五桂 44
持ち時間各5時間
△3時間01分 ▲2時間12分 54手

5期連続昇級

 都成は第31期竜王戦で6組優勝。そこから5期連続昇級という快記録を作って今期1組に初登場した。過去、5期連続昇級した棋士は藤井聡太竜王など5人だけ。当然とはいえ、力がなければできない記録である。

 本局解説の金井恒太六段はこれまで公式戦で都成に3戦3敗。「居飛車も振り飛車も指しこなす都成さんは、的を絞りづらい対戦相手。自分のペースに引き込むのがうまく、その上で中終盤の安定感もある」と、その将棋を評する。

 玉頭戦を含みに、向かい飛車から動く。これが本局に用意した都成のテーマだった。具体的には△2四歩の仕掛けが成立するかどうか。ここが最初の勝負どころである。▲3五歩はひねった手だが、相手の研究を警戒しすぎた意味もある。

 「普通に▲3七桂と跳ねるところでした。以下△2五歩▲同飛に△1四歩型を生かす△1三桂を気にしたが、▲2二飛成△同角▲2一飛△2九飛▲6八銀引と指せば先手が悪くなかった。時間を使って考えたところで普通に指せなかったのが一番の反省点」と後日の広瀬は語っている。

 本譜は激戦。指了図がまた、一つの分岐点だった。(鈴木宏彦)

盤上に鋭い視線を注ぐ都成七段
盤上に鋭い視線を注ぐ都成七段

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3940422 0 観戦記 2023/03/28 05:00:00 2023/06/14 17:57:56 https://www.yomiuri.co.jp/media/2023/03/20230324-OYT8I50109-T.jpg?type=thumbnail

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