【深掘り】沖縄が窃盗団の標的に?入念な下見、昨年から数回来県、リーダー格は逃走中…貴金属店窃盗事件から1週間


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 沖縄市の貴金属店で時計や指輪など50点(販売価格計約568万円)が盗まれた18日の事件は、外国籍の男らのグループによる犯行だった。入念に下見をしつつ、警報機の作動は織り込み済みというかのように出入り口を壊して侵入するなど、荒っぽい手口が特徴だ。警戒中の警察官らが現行犯で逮捕するなどして摘発されたが、リーダー格と目される男は逃走中。25日で1週間が経過し、貴金属などを扱う店からは不安がる声が上がる。

 

緊迫の逮捕現場

 18日午前1時ごろ、近隣住民の20代男性は、店に設置された黄色のランプが点灯するのを見て「事件があったのではないか」と胸騒ぎを覚えた。男性や目撃情報によると、しばらくして警察官ら2人が駆けつけた。その際、店舗外にいた外国人風の男1人が現場から走り去った。
 

 数分後、捜査車両が到着し、店舗周辺を取り囲んだ7、8人の警察官が店舗内になだれ込んだ。怒号が飛び交うもみ合いの末、現行犯逮捕した。大柄な体をすぼめ、男らはうなだれた様子で連行されたという。

 40代男性はサイレンの音が響き渡り、不安で外を見ることができなかったという。「高校生の息子もおり、巻き込まれたくなかった。こんな事件が身近で起こり、不安だ」と声を沈ませた。

 

警戒の中で

 被害にあった店舗は、公共施設や商業施設、アパートなどが立ち並ぶ一角にある。約100万円の腕時計や金のネックレスなど高級品が並ぶ。男らは店舗の勝手口を壊して侵入。警報機が作動し、警備員らが駆けつけるまでの数分間を狙って、ショーケースを壊し、高額な時計やアクセサリーを盗み出そうとしたとみられる。

 建造物侵入と窃盗の疑いで逮捕されたのはいずれも愛知県在住の19~28歳の男4人。関係者によると、グループは昨年から複数回にわたり来県し、那覇市内の飲食店などに出入りしていた様子が確認された。本島内では昨年、貴金属店を狙った別の窃盗事件も発生していて、県警は貴金属を扱う店に警戒を呼びかけていた。高額な商品は店舗奥で保管するといった対策をとった店舗もあるという。

 同市内のリサイクルショップの男性従業員は「まさか沖縄で窃盗団による事件が起きるとは。本土の広域強盗事件が騒がれていてとても不安だ。早く解決してほしい」と話した。

(高辻浩之、友寄開)