国内外で評価割れたゴルバチョフ氏、プーチン氏はソ連崩壊を「20世紀最大の地政学的悲劇」

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 約半世紀に及んだ東西冷戦を、「対話」を軸に終結に導いたミハイル・ゴルバチョフ元ソ連大統領は、国内外での評価が大きく割れ続けた。後継国家ロシアのプーチン大統領が始めたウクライナ侵略を憂慮していたが、終結を見届けることなく生涯を閉じた。

プーチン露大統領(右)と会話するゴルバチョフ氏=2004年12月、AP
プーチン露大統領(右)と会話するゴルバチョフ氏=2004年12月、AP

 ゴルバチョフ氏は、疲弊したソ連を存続させるため、米国との和解を軸にした「新思考外交」を展開し、1989年の「ベルリンの壁」崩壊や、翌年の東西ドイツ統一にも道を開き、その功績が称賛された。

 だが露国内では、米国と並ぶ超大国を崩壊させ、国民生活に大混乱をもたらした張本人という否定的な見方が定着している。

 昨年、露政府系世論調査機関が発表したゴルバチョフ氏に関する調査では、51%が「国を良くしようと考えたが、戦術的に大きな誤算で問題を引き起こした」との回答を選択した。「必要な改革を恐れなかった」との肯定的な評価は11%にとどまった。

 ソ連末期と崩壊後のロシア社会の大混乱は、プーチン氏が強権統治による「安定」をアピールし、長期支配を続ける格好の材料にもなってきた。プーチン氏は1991年のソ連崩壊を「20世紀最大の地政学的悲劇」と評した。ウクライナ侵略を巡っては、かつてのソ連の版図回復が目的との見方がある。

 ゴルバチョフ氏はウクライナ侵略開始直後の2月26日に発表した声明で、「相互の尊重と互いの利益の認識を基礎にした交渉と対話が、深刻な矛盾や問題を解決する唯一の方法だ」と訴え、早期の和平協議や戦闘終結を呼びかけた。だが、プーチン氏が侵略をあきらめる気配はない。

 タス通信によると、ゴルバチョフ氏は、99年に死去したライサ夫人が眠るモスクワのノボデビチ墓地に埋葬される見通しという。

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3300940 0 国際 2022/08/31 14:05:00 2022/08/31 14:15:02 2022/08/31 14:15:02 https://www.yomiuri.co.jp/media/2022/08/20220831-OYT1I50096-T.jpg?type=thumbnail

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